阿部 勇司

2000年の介護保険制度スタート後、すぐにホームヘルパーの資格を取得し、訪問介護の現場で働きました。
当時はまだ少なかった、24時間対応をしていた事業所の深夜枠~午前枠を主に担当したのち、一時は管理職を経験したものの、施設介護にも興味を抱き、その後病院へと入職しました。
病院では看護助手として現場業務に携わったのち、事務職へ配属。
窓口業務や診療報酬の請求業務を経験した後、経営企画室に配属され病院の運営全般に携わらせてもらいました。
2014年、ホワイトボックス(株)に入社。
現在はアセアン進出支援協会の

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査定・返戻を減らすツボ

 こんにちは。ホワイトボックス(株)の阿部です。 皆さんが風邪やケガで医療機関を受診した際には、
掛かった医療費に対して、3割あるいは1割といった自己負担分を支払い、
医療機関側は残りの7割や9割を保険請求として、 国や健康保険組合に請求します。 医療機関が保険請求することを、「診療報酬請求」といい、
正しい診療報酬請求をするためには、
健康保険法や医療法、療養担当規則といった、
医療機関を取り巻く各種の法的ルールを守る必要があります。 このルールに則っていないか、または 請求された内容に疑義がある場合には、
査定や返戻といって、請求した分が報酬として適切に受け取れない事態が発生します。 査定とは、 診療内容が適切でないと判断されたものについて、主にA~Dに分類された理由により、請求内容が認められないもの(支払いは実施されない「再審査請求で認められた場合を除く」)を言います。また、返戻とは 診療行為等の適否が判断しがたいものについて、保険医療機関等に返戻して再提出を求めるもの( 疑義の部分を修正、あるいは明確にし、再請求することで報酬は支払われる)を言います。 さて、この査定や返戻を減らす効果的な方法はあるのでしょうか? ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・、特効薬のようなものはありませんが、
1~2年をかけてじっくりと取り組むことで成果をあげた事例があります。 
それは、≪「査定」「返戻」の台帳をつくり、それぞれの傾向を分析すること≫ 実際、台帳のフォーマットをお渡しし、
当初はこちらでコメントをつけて返すといったやりとりを1年ほど繰り返していくなかで、
スタッフさん達も自院の傾向に気づいていきます。 気づいてくれればしめたもので、じゃぁ「どうすれば減らせるのか」について工夫していくのが、
優れた病院スタッフさん達です。 なお、査定・返戻台帳管理のいずれについても”再請求提出日”の欄を設けておくのがポイントです。
「返戻は修正すれば支払われるのだから問題ない」といった見方もできなくはありませんが、
経営側としては、キャッシュ(現金)の出入りのタイミングに影響する重要な事柄であることを認識しておく必要があります。 査定・返戻減に即効性のある薬はありませんが、” ツボ”を刺激することで、一定の成果をあげることができると認識しています。

何をもって人手不足を補うか

こんにちは。ホワイトボックス(株)の阿部です。
 人手が足りないという声を多く耳にするようになってきました。 その背景は様々ですが、実感として地域差はあまり感じません。 都心部であったとしても、人が定着しないがために、 常に人を募集しなければならないところもあれば、 過疎地であるがために人を募集してもなかなか集まらないところもあるようです。  医療も介護も、人が人にサービスを施すことで成立します。 サービスする側が一人で完結すればよいのかもしれませんが、 小さな診療所でない限り、チームで医療や介護サービスが提供されています。ここに、サービスを提供する側に人間関係の問題が発生しやすい根幹があります。 多くの医療機関や介護施設が、この問題で悩んでいることだと思います。 経験値も考え方も、様々な人がいるの現場をまとめるのは大変なことですが、 一つ言えることは、こうした問題を個々人のパーソナルに任せいてる限りは解決できないと理解しています。 被雇用者は年齢も経験も様々ですし、外国人技能実習制度の議論花盛りの今後は、そもそも背景にある宗教や文化が違う人達の集合体になってくることが考えられます。 そうした個々人を一つにまとめる為には、どうしてもビジョンや方向性・方針を示すということが欠かせません。 賃金や残業・有給休暇の取得率といった働きやすさ、といった面は当然あることでしょう。 しかし、他のプロフェッショナルの世界をみてもあきらかなように、
それだけでは人が一つの目標に向かって歩みを進めていくことは不可能です。 目標を提示し、スローガンを掲げ、戦略を伝えることで、
個々人の思いに働きかけることができるのではないでしょうか。

「私たちが目指すものは○○だ。○○に向かうために、私たちはこのような方法で取り組む」といった、
ビジョンや方向性、そして具体的な方法を示し取り組んでいく必要があります。 
医療も介護も、人対人。人がいなければサービスの提供はできませんし、
逆の視点でいえば、人がいなければサービスを受けることもできません。 需給のアンバランスな時代が近づいている今、
敢えてこうした当然のことを振り返り行動修正をしていくのか、
それとも、これまで通り個々のパーソナリティに任せていくのか。

高齢者人口が2度目のピークを迎える20年後には、答えがでていることでしょう。 

地域包括ケアシステム構築のなかで

あけましておめでとうございます。平成が終わり、新しい時代を迎える年がスタートしました。 敗戦と復興という激動の昭和。 戦争こそなかったものの、経済の失速や自然災害に見舞われた平成を経て、
新しい時代は、どのような物語を紡いでいくのでしょうか。医療介護に目を向けてみれば、差し迫った2025年問題がやってきます。 団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になり、
日本の少子高齢化が本格化していく分水嶺です。  皆さんは、地域包括ケアシステムという言葉をご存知ですか?
医療や介護の業界で働いている人には、浸透している言葉ですが、
まだまだ、一般の方には馴染みが薄い言葉なのではないでしょうか。

簡単に言うと、
「高齢になっても、住み慣れた街でその人らしく暮らしていくことができるよう、関係する業界の多職種が集まって支えていこう」、
というものです。  今、医療と介護の世界では、”連携”ということが様々な形で模索されています。

先日も、北関東のある県で、クライアント先の病院と地域のケアマネージャーさん達との相互理解を深めようと、
研修会(Bridge Meeting)を開催しました。
名称を「Bridge Meeting」としたのは、医療と介護の関係に橋を築き、未来に繋がる関係を構築していきたい、という思いからです。
  2000年にはじまった介護保険制度は、
開始当初こそ、看護師資格をもったケアマネージャー(以下、CM)が大勢いたものの、
介護制度の浸透とともなって、介護福祉士として経験を積んだ方たちがCMになるケースが増えてきました。

具体的には、看護師資格を有したCMは、2003年の37.6%(准看護師含む)から2015年には12.9%まで減り、
一方で介護福祉士資格を有したCMは、2003年の32.6%から2015年には59.3%まで増えています。 
 このこと自体は、制度の浸透にともなう成果といえるでしょうが、
一方で病院のことを知らないCMが増えてきたのも事実です。
結果、「病院の敷居が高い」と感じているCMさんが増えてきているのもまた、現状です。 
 「医師との連絡調整に緊張する」
「訪問看護師と訪問介護員の関係が良くない」
「医療的な知識不足が不安」
「連絡しても多忙で、時間調整が困難」
「当たりがきつい(話しが上手く通じず、必要がないと言われた」
これらは、CMの悩みとして良く聞かれるものです。  病院同士の連携を「病病連携」、病院と診療所の連携を「病診連携」と表現しますが、
病院と介護の連携「病介連携」あるいは、医介連携には、まだ多くの壁が存在しています。

病院サイドも「待ち」のスタンスではなく、
また介護サイドも「受け」ではなく、
両者が互いの立場を積極的に理解しようという相互理解を深めていかなければ、
地域包括ケアシステムは機能しないと懸念しています。

とかく、自らをオープンにしていくのは慣れないことが多いですが、
地域医療を護るという使命と気概をもって取り組んでいくことが求められているのではないでしょうか。 

業務改善に必要な自由闊達な風土

こんにちは。ホワイトボックス(株)の阿部です。先日、ある介護施設で、医療介護の現状について話す機会を頂きました。テーマは「2025年問題と医療介護の現状」。 主な内容としては人口減と社会保障費の逼迫、自己負担増の可能性と医療・介護報酬の増加が見込めないといったなかで、我々には何ができるのか?といったことをスタッフの皆様にお話しさせて頂きました。 テーマが大きすぎ、「聞く身としては内容が漠然としていた」というアンケートも頂戴しましたが、少なくとも日本の現状については、理解して頂けたようでした。…で、現状は分かったケド、それで私たちに何ができるの???・・・う~ん、もっともなご意見です。社会保障制度のことや、少子高齢化の流れは私たちにどうにかできるものではありません。 でも、自分たちの職場を守ること、自分たちの職場を変えることはできるのではないでしょうか。もっと言えば、自分たちの職場を守り、変えることは自分たちにしか、できないのではないでしょうか。その為にできることの一つに「業務改善」があります。業務改善とは、1.仕事をよりうまく(品質)、はやく(時間)、やすく(合理的≒コスト)行うために、2.仕事の仕組み(ルールや手順)、進め方、問題点を、3.抽出・分析し、改善策を考え、実行する。ことです。 スタッフ一人一人が工夫し、今の仕事をよりやり易くしていくことができれば、今は小さなことだとしても、いずれ大きく差がつくものだと理解しています。ただ、やれば良いというものでもなく、いくつかのコツも必要です。 一つめは、なにより自由闊達に意見が言える風土であることは重要な要素です。意見が言いづらい、言ったら嫌われる…そんな風土の組織ではいずれ腐敗し、内側から崩壊していってしまうでしょう。とはいえ、皆がみんな、面と向かって意見が言える人ではありません。 ですので、通常であれば「改善提案シート」を作成して、提出を促していきます。この時も、頻繁な提出が義務になってしまえば苦痛になるので、月に1人1回位がベターかもしれせん。 2つめのコツは、上司あるいは管理者が必ずこうした意見にレスポンスを返すことです。なかには、ここぞとばかりに言いたいことをならべてく人もいることでしょう。また、もしかしたら、ある職員にとっては、勇気を振絞って提案した事例かもしれません。ただ、どちらも組織のことを思って提案してきているのですから、それにレスポンスをしていかなければ、「どうせ言っても無駄だ」という空気が醸成されてしまい、かえって悪い結果を生むことにもなり兼ねません。いずれにしても、一つ言えることは自ら変わっていける組織は強い。業務改善を文化として定着させる。「塵も積もれば山となる」というのが、業務改善ツールの原理です。

習慣化までの21日と行動をかえる要素

こんにちは。ホワイトボックス(株)の阿部です。今年も残すところあとわずかとなりました。皆さんはどんな1年を過ごしましたか?私はというと、年初の手帳を振返ってみると、立てた3つ目標のうち、達成できたものはわずか一つ…まぁ、1勝3敗、勝率3割でまずは良しとしたいと思います。ところで以前、精神科の専門医の先生から、「物事を習慣化させるためには、最低21日間は続けることが必要」ということを聞いたことがあります。なるほど、21日続けられれば、そこから流れに乗っていくことはできそうです。では、どうやって21日間続けるか、ということが問題になりますが、これは自分の行動習慣を変えていかなければなりません。もっとも取り組みやすい事は、「時間配分を変える」こと。1日のなかの生活リズムを変えることが有効です。起きる時間、寝る時間を変えるだけで、できそうなことがいくつか浮かんでくるのではないでしょうか。仕事のなかで時間配分を変えることも重要です。1日の仕事全てを業務に費やすのではなく、2割は新しい事に取り組む時間にすることで、将来の可能性を広げることもできるでしょう。学生でいえば、勉強時間の2割は得意な科目の強化、あるいは苦手な科目の強化に集中してみることも有益ではないでしょうか。生活リズムもなにも変えず、意思だけで物事を変えようとしても、現実には難しく、自分の意思の弱さを嘆き、自己嫌悪に陥てしまっては本末転倒です。「物事を習慣化させるには一定の時間が必要」なことを認識したうえで、時間配分を変えて挑戦していくという戦略が有効です。失敗したら、時間配分の仕方から、また変えていくこと。意思の弱さを嘆く必要はありません。

優先順位の判断基準

 こんにちは。ホワイトボックス(株)の阿部です。 仕事場のみならず、家庭でも、あるいは趣味の活動においても、問題というものは発生するものです。というか、私の場合、問題だらけですけど…(^^;) そんなとき、何が問題なのか、ということが分からないことが問題だったりもしますが、ここでは問題の定義を「目標との乖離」としたいと思います。売上げノルマの目標との乖離、奥さん(旦那さん)への満足度の乖離、マラソンの目標タイムとの乖離etc... これら目標との乖離を、まずは「問題」と定義することで、「問題」ということを明確にしたいと思います。 さて、何が問題が明確になったら、次は現状と目標の乖離を埋めるために準備すべきこと、を確認します。問題解決のためには、次のようなプロセスを踏んでいくことが有効です。1.到達点の確認(Attainment)2.現状の確認(Staite)3.乖離の確認(Confirmation)4.解決策の思案(Solution)5.解決策実行のプラン(Plan)6.解決策の実行(Do)7.実行した解決策の効果測定(Check)8.解決策の修正・実行(Action/Adjust) 今回の表題「優先順位の判断基準」は、4.「解決策の思案」部分におけるテーマです。A案、B案、C案…。どれも捨てがたい妙案だとした場合でも、優先順位を決めて実行していかなければ、限られた時間や資源を有効に使うことができません。優先順位を決める判断基準には、次のようなことを軸においておくと、迷った時の座標になります。🔶時間的要素(緊急度)🔶物理的要素(重要度)🔶空間的又は社会的要素(影響度) 時間的要素(緊急度)とは、与えられている時間的余裕(〆切)のことをいっています。物理的要素(重要度)は、それを実行することで掛かる時間や人員、コストなど。そして、空間的又は社会的要素(影響度)は、その決定をすることで、組織や社会にどこまで影響が波及するのか。さらには、その決定はどの位の時間影響を与えるのか、について考慮することが有効です。 優柔不断な人は、普段のトレーニングの場として、外食の時のメニューを決めるときにこの3つの要素を思い出してみてください。例えば、減量目標との乖離があるとき。 ・・・時間的要素はあまり関係なさそうです(昼休憩が少ししかないときは、早くでてくるメニューにしなければなりませんが…)。次の物理的要素はどうでしょう。ちょっと関係しそうですネ。主食以外でお腹を満たそうとすると、往々にしてエンゲル係数が高くなりがちで、お小遣いにも影響してしまいそうです。空間的又は社会的要素はどうでしょうか。あなたが減量に成功することで、社会的にどのくらいの影響があるのか。 「自分がやせたところで、社会的な影響なんてない?」いえいえ、そんなこともありません。あなたが健康になることで、家族は喜ぶでしょうし、将来病気になるリスクが減れば、医療費などの社会保障費の負担は確実に減っていきます。健康でいられる時間は空間的要素に影響し、病気になるリスクは社会的要素に立派に影響するのです。 問題の大小に目が行きがちですが、どこから手を付けてよいか分からない問題ほど、まずはバラバラに分解して、一つずつ検証していくことが重要です。その検証過程においては「優先順位の判断基準」を拠り所にするのが有益です。